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まちに森をつくって住む (JUGEMレビュー »)
甲斐 徹郎, チームネット
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住まいをつくる誰もが豊かな環境を得たいと思う。しかし、住まいをつくることによって、逆に地域の自然環境を破壊しているとしたら、それはなんという矛盾だろう。
これからのすまいづくりにおいて最も得な方法は何か。
それは地域の緑の価値を見直し、それを快適な「天然の空調装置」として住まいに活かすことである。
本書はこうした視点に立ち、個人の住まいづくりと街の環境づくりをつなげるビジョンと実践例を示し、本当の快適さを体感するための「エコロジー住宅市民学校」を誌上開講する。
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地下住居とカナート……イラン合同調査印象記(2)
●快適な地下のリビングーーカシャーンの都市住居
 カシャーン市で見たBoroujerdi-ha Mansion 、Tabatabai Residenceは文化財として保存された大規模なもので、プランには共通したところがある。周囲を高い土壁で覆われた邸宅は外からでは内部の様子はおろか、規模も伺い知ることができない(写真8)。規模の大きさに比してかなり小さいが頑丈な玄関扉を開けてなだらかな階段を下ると中庭に至る。中庭は道路レベルから1階分下がっており、カナートから引かれた水が中には中央の池に導かれている。池を正面にプランは左右対称で正面に2層分の豪華な左官装飾をほどこしたドーム、その両側に2層分の部屋がある(写真9、10)。


写真8 高い土壁の都市住居(KASHAN市内)

写真9 Boroujerdi-ha Mansion 中庭

写真10 Boroujerdi-ha Mansionの美しい風塔
これらは冬の部屋で、夏の部屋は池のレベルからさらに下に階段を下りたところにある。夏の部屋の階段口には細かい細工のがらりが取り付けられ、通風の用をなしている。夏の部屋の奥には1メートルほど下がった小室が設けられ、地上2階までの高さの採風口につながっている。小室に入るとかなり涼しい。一見すると気流は上昇していくように思えるが、実は冷たい気流が吹き降りてくる。腕の毛が風を感じるほどで測定すると1m/s ほどある。
 市内のセイエド・ジャラル・ホセインブルさん(74歳)の住宅をみせてもらう。約70年前に建てられたもので、基本的なプランは、先の邸宅と似ている。この地域の典型的な都市住居の形式なのだろう。グランドレベルより1階分下がった中庭に大きな池があり、池の正面に踊り場、その左右に子ども部屋、池を挟んで踊り場の反対に冬の部屋が並ぶ。夏の間、家族が居間として使っている居室は子ども部屋脇の階段をさらに18段下がったところにある(写真11)。
 夏の居間におりるとその温度差に驚く。訪問した9月2日4時40分の外気温は37.2℃、外部湿度14%。中庭にはまだ強い日差しが残っていた。中庭の床放射温度は58℃(日差しのあるところ)、52℃(日陰部分)あるのに対し、夏の居間の放射温度は、壁26℃、天井26.5℃、床25℃である。夏の居間奥にある風採りスペースの壁放射温度は22℃である・


写真11 セイエド・ジャラル・ホセインブル邸の地下リビング

●ヤズダラン村のHAJIさんの住居と暮らし
 ヤズダラン村はカシャーンから車で1時間ほど離れた村である。この村に住むHAJI YAHYA KHADEMI さん(80歳)の住宅(写真12〜14)を実測調査し話を聞くことができた。10人近い若い男女、子どもが出入りしているのでみんなこの家に住んでいるのかと思ったが、実際に住んでいるのは老夫婦だけで、子どもや孫、曾孫は近所に住んでおり、毎日この家に出入りしている。
 HAJIさんは12人の子ども(7人男、5人女)をこの家で育てた。最初の20年は羊と牛の放牧をやり、次の20年はラクダを連れて方々に出かけた。農業をやりだしたのはこの20年である。最近は砂漠の風が変わって遠くが見通せなくなり、水が探せなくなったという。昔は人間が砂漠の動物の狩りをしていたが、今では彼らは独りでに死んでいくとも。家を建てたのは60年前。今は畑となっている小高い丘の斜面の土を削って、日干し煉瓦をつくった。飲料水用の水、電気が引かれたのは30年前である。夏の昼間の居場所はドームのある中央。夜は畑側のベランダでベッドで寝る。冬はコタツを使う。以前は熱源に砂漠で集めた薪で炭を作り使っていたが、現在は電気コタツ。日本といっしょである。
 HAJIさんの一日は4〜5時起床。アッラーに祈りをし、ブドウを収穫して町にもっていき、牛の肥料を買って帰る頃が10時近く。昼食後、お祈り、午睡。3時過ぎに起きて畑に水をやる。ただし畑に水が供給されるのはHAJIさんの家の場合は、6日に1回。近くの井戸からポンプで汲み上げた水を用水を通して自分の畑に導く輪番給水制である。30年前まではかヌートを使っていたが、今は使っていないという。夕食は7時頃。そして、お祈り。寝るのは早い。
 家の修理は3年に1回行っている。特に屋根の修理は怠ることができない。雪が大敵で50センチも積もる時があった。最近は年に数回しか降らないが、雪が降ったときにはすぐに屋根の雪下ろしをしなければならない。屋根修理は秋に麦わらを土に混ぜたものを塗る。冬の間は土が凍るので修理はできない。特に日干し煉瓦の積み方が変わる部分の痛みが多い。この家はこれまで3回の地震があったが、壊れなかった。
 この家をつくるのに日干し煉瓦を10万枚使った。煉瓦の材料は今は畑になっている所の土で、砂や石灰は含めない。煉瓦の大きさは約20センチ角で、厚さは5〜6センチほど。一番荷重のかかる場所の壁厚は煉瓦5枚分ある。柱は日干し煉瓦を平積みし、つなぎも水に溶いた土である。床は焼いた煉瓦を使う。天井はボールト状の部分は煉瓦を縦使いにし、ドーム状の所は平使いである。天井部分は漆喰を使う(写真15)。煉瓦で躯体ができるとその上に土壁を塗る。材料は土に麦わらをまぜたものを使う。漆喰を混ぜることはない。漆喰を使うのはコーナー部分のエッジを出すところだけである。HAJIさんの家の屋根の漆喰が一部はがれていて、屋根の構造を知ることができた。下から日干し煉瓦3層、麦わらの層、日干し煉瓦1層、その上に麦藁と土を混ぜたものを3センチほど塗っている(写真16)。


写真12 HAJI YAHYA KHADEMIさんの家

写真13 夏はドーム下のこの場所がリビングとなる。風が通り抜けて涼しい。

写真14 漆喰が塗られた冬の居室。

写真15 HAJIさんの家の近くの廃屋。日干し煉瓦の積み方がよくわかる。

写真16 HAJIさんの家の屋根
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