鎌倉の市内にはまだ少しだけ戦前の洋館が残っている。散歩をしていてもそれらがランドマークになって楽しい。
老いも若きも混群している街は、人も建築も楽しいのだ。
先日、耳あかを取ってくれた耳鼻咽喉科の赤尾医院(写真・上)もそんな洋館の一つだ。
赤尾先生の話では、昭和10年頃、鎌倉に洋館ブームがあったのだという。
診療室の内部も見るところほとんど建築当時のまま使われている。
赤尾医院から目の先の距離にある安保医院は、現在は鎌倉の風致保存会の建物(写真・下)になっている。
鎌倉にこうした建物がどれほど残っているのだろう。気になって『日本近代建築総覧』(1980年)のリスト中の建物名をゼンリンの住宅地図上で探してみて驚いた。ここ20年の間に、個人住宅は同じ姓のものがほとんど残っていない。暇を見つけて確認しようと思っている。