持ち物の中で最も酷使している道具といえば仕事場の椅子だろう。
奥村昭雄製作のオールドパッチ・チェア。ナラ材で、座板に牛革を張ってある。
長いときには1日10時間以上坐っていることもある。腰の疲れない椅子である。
1日平均6時間として、ひと月で150時間、1年で1800時間。
12年ほど前に手に入れてから2万時間以上使っていることになる。
あと何万時間この椅子に座ることになるのだろうか。
できることなら生涯この椅子で仕事をしたいものだ。
「椅子は生活・労働・休息の場で、いつも最も人間の近くにいる」
奥村昭雄の言葉だ。